工藝

島根県 温泉津森山窯 7寸リム皿 呉須

 

もはやご説明も不要とも言うべき森山窯の定番の平皿(またはリム皿)。河井寛次郎氏の最晩年の直径の弟子として過ごされた森山窯の森山雅夫さんの仕事です。

磁器ではよくある平皿ですが、陶器では高いロクロ技術がなければつくるのは難しいと言われます。つくり手の巧みなロクロ技術、島根県石見地方の硬質な陶土、それらを見極め、他の優品の洋皿を見本として鎌倉もやい工藝の前のオーナー・久野恵一氏からの注文(発注)により40数年前からの定番品として今もなお森山窯でつくられています。皿の見込み(皿の真ん中部分)や縁のすぐ内側などに施された線引きにも注目したい。

洋皿というと平たいかたちの皿が多くありますが、リム皿ともいいますね。リムとは一段せり上がった平たい縁のこと。リムがあることで持ちやすくなり、料理やソースがこぼれにくくなるといった実用性があります。

洋皿に平たい皿が多く見られるのは、日本の軟水のように水をベースとする料理よりも、ヨーロッパは水の硬度が硬水のため、蒸したり焼いたり野菜の水分で煮込んだり、ソースを多用したり、ローストした肉汁をベースとしたり、ワインや牛乳を加えて煮たりと、汁気が少ない料理が多いため平たい皿を使っても料理がこぼれ落ちるような心配がなく実用的なのだそうです。逆に、日本のように水を多用する軟水の出汁文化では、汁気がある料理が多いため暮らしの中で使われる皿は深さのあるものが多いのようです。

40数年前の日本の一般家庭の食卓は、今ほど日常的に洋食がテーブルに並ぶようなことはなかったのだろうと思われますが、今この皿がとても需要が多い現実を見ますと久野恵一氏の時代の先を見る眼の確かさを改めて感じると同時に、注文者(発注者)の重要性も感じます。

 

大変に申し訳ございませんが、こちらの商品は店頭販売のみでのご対応となります。

 

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