工藝

沖縄県 那覇奥原硝子製造所 ペリカンピッチャー 

 

材料となる廃瓶を集め、ラベルをはがし、洗浄し、細かく砕き、溶かし、職人数人のチームワークで素早く一つのものをつくり上げます。

このピッチャーの特徴はペリカンのくちばしのような、尖った注ぎ口にあります。例えば、氷水をコップに注ぐ際、氷がすぼんだ部分に引っかかり飛び出てしまうのを防いでくれます。この注ぎ口を吹きガラスでつくるのは非常に難しく、また、ハンドル(取っ手)付けも難しい仕事です。

奥原硝子は、戦後の昭和27年に創業した沖縄で最も古い硝子の製造所です。戦後まもなく、沖縄に駐留するアメリカ人やその家族などからの要望により硝子の製品づくりをはじめますが、硝子の原料が手に入らなかったため、苦肉の策で駐留米軍が捨てたコーラやビールの瓶を原料として使ったのが再生ガラス(リサイクルガラス)のはじまりです。原料ガラスを使う場合に比べ、再生ガラスは不純物を含むため出来上がった製品が分厚く重くなりがちですが、身体の大きなアメリカ人には問題なく受け入れられました。それ以来、奥原硝子では現在でも廃瓶を原料として製品づくりを続けています。

私がこのペリカンピッチャーを初めて目にしたのは今から20年ほど前ですが、今でもふとした瞬間に美しいなぁと思い、手にとって眺めることがあります。時代は変わり、自分も成長しますが、芸術品ではない、この暮らしの道具が今も変わらずに美しい存在であり、現在もつくられていることに嬉しく思います。

容量は7分目で約500ml。ピッチャーとしてだけではなく、花瓶として使うのも素敵ですし、出番待ちの際にはこのまま棚に置いておくだけでも暮らしに潤いをあたえてくれます。

 

大変に申し訳ございませんが、こちらの商品は店頭販売のみでのご対応となります。

 

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